#09

マルチエージェントとAgent Teams

上級

複数のAIが役割分担して協力するAgent Teamsの仕組みを学び、実際にチームで作業を体験します。

座学

この講座で学べること

  • マルチエージェントのリレー型・並列型・組織型の3パターンを理解する
  • settings.jsonでAgent Teamsを有効化してclaude --teammate-modeで起動する手順を習得する
  • サブエージェントとAgent Teamsの違い(同一セッション vs 独立したClaude)を説明できる
  • Agent Teamsは通常より大幅にトークンを消費するためコスト管理が重要と把握する

マルチエージェントとは、複数のAIが協力して1つのゴールをこなす仕組みです。Agent Teamsは、Anthropicがこの考え方をClaude Code向けに実装した実験的機能で、複数のClaude Codeインスタンスがチームとして連携して作業します。「リサーチ担当」「執筆担当」「レビュー担当」のように役割を分けることで、1人では難しい複雑な作業をこなせます。

マルチエージェントのパターンは主に3種類あります。AがやってからBが続ける「リレー型」(前工程の結果を次工程に渡す)、複数人が同時に別々の仕事をこなす「並列型」(それぞれが独立した調査・作成を並行実施)、マネージャーが担当者に指示を出す「組織型」(統括エージェントが各担当に指示)です。作業の性質によって適切なパターンを選ぶと効率が最大化されます。

Agent Teamsが特に効果的な場面は3つです。①タスクを独立した部分に分割できる場合、②処理量が多く1人では時間がかかる場合、③専門性の違う作業が混在している場合。逆に単純な作業・小規模な作業・順序依存が強い作業は1人のClaude Codeの方が効率的です。Agent Teamsはコストが高いため、効果が明確な場面に絞って使うのが賢明です。

サブエージェント(上級08)とAgent Teamsは似ていますが異なる仕組みです。サブエージェントはメインセッション内で動きタスクをこなしてメインに結果を返すだけです(「ちょっと調べてきて」と頼む部下のイメージ)。一方Agent Teamsは各メンバーが独立したClaude Codeとして起動し、メンバー同士が直接やり取りしながら協力できます(専門領域を持つプロジェクトチームのイメージ)。Agent Teamsの方がトークン消費は多いですが、複雑な協調作業に向いています。

コストには注意が必要です。各メンバーが独立したコンテキストウィンドウを持つため、メンバーが増えるほどトークン消費が増えます。Plan Modeで動く場合は通常の約7倍のトークンを消費することがあります。チームメンバーへの指示には必ず「Sonnetモデルを使ってください」を含め、初回は2〜3人の小規模チームから始めて、/usageで消費量を確認しながら規模を判断しましょう。

マルチエージェントの代表的なパターン

🔗

直列型(パイプライン)

エージェントが順番に処理を渡していく

リサーチ執筆レビュー
🌐

並列型(ファンアウト)

1つのタスクを複数に分けて同時実行

タスクAタスクBタスクC
🌲

階層型(ツリー)

親が子を指揮する多層構造

マネージャー担当A担当B

Agent Teamsを使うべき判断基準

✅ 使うべき場面

  • タスクが独立して分割できる
  • 処理量が多く並列化が有効
  • 専門性の異なる作業が混在

❌ 不要な場面

  • 単純な1ステップ作業
  • 前の結果に強く依存する処理
  • 少量のファイル処理
Agent Teams は実験的機能でデフォルト無効です。settings.json で有効化してから Claude Code を再起動する必要があります。

実践手順

STEP 0:Agent Teams を有効化する(前提条件)

Agent Teams はデフォルトで無効です。使う前に必ず settings.json に設定を追加して Claude Code を再起動してください。

⚠️ Agent Teams はデフォルトで無効です

使う前に必ず以下の設定を行ってください。設定後は Claude Code の再起動が必要です。

PowerShell で settings.json を開く

powershell
notepad $env:USERPROFILE\.claude\settings.json

settings.json に以下の内容を記述して保存してください

すでに他の設定がある場合は env セクションに追加します。

json
{
  "env": {
    "CLAUDE_CODE_EXPERIMENTAL_AGENT_TEAMS": "1"
  }
}

✅ 保存後:Claude Code を再起動して確認

Claude Code を起動して以下を入力してください

bash
エージェントチーム機能は有効ですか?

「有効です」「Agent Teams が有効になっています」などの回答が返れば設定完了です。

上手くいかない場合 ①「Agent Teams 機能は現在無効です」と表示される → settings.json の設定を確認・Claude Code 再起動 ②チームが起動しない → 指示に「チームを作って」「〇人のチームで」と明示的に書く ③メンバー切り替えができない → in-process モードで起動しているか確認 ④tmux を使いたい場合 → tmux のインストールが別途必要

STEP 1:Agent Teams の起動方法を知る

Agent Teams は CLI の起動コマンドでチームメンバー数を指定して起動します。--teammate-mode には3種類あります。

--teammate-mode の3種類

in-process推奨

1つのターミナルで全エージェントが動く。Shift+↑↓キーでメンバーを切り替えて会話できる。

tmux

tmux がインストールされている場合に使用可能。画面が分割されて各エージェントが独立表示される。

auto

環境に合わせて自動選択。tmux が使えれば tmux、なければ in-process が選ばれる。

in-process モードのキー操作

Shift + ↑ 前のメンバーに切り替え

Shift + ↓ 次のメンバーに切り替え

bash
# メンバー2人のチームで起動(リーダー1+チームメイト1) claude --teammate-mode in-process

STEP 2:初めてのAgent Teams体験(並列調査)

まず読み取りだけのシンプルなタスクで試します。ファイルを同時編集しないので競合の心配がなく安全です。

PowerShell で実行

powershell
cd $env:USERPROFILE\Desktop
mkdir team-test
cd team-test
claude --teammate-mode in-process

起動したら以下のチーム指示を出してください

bash
3人のチームを作って「Claude Codeの活用方法」を
それぞれの視点で調べてまとめてください:
- 担当A:ビジネスでの活用事例に注目して調べる
- 担当B:個人の生産性向上での活用事例に注目して調べる
- 担当C:学習・教育での活用事例に注目して調べる

各担当の調査結果を「調査レポート.txt」にまとめてください。
チームメンバーはSonnetモデルを使ってください。

「Sonnetモデルを使ってください」は必須の一言です。 省略すると Opus が起動してトークンを大量消費します。

トークン消費の注意 Agent Teams は通常の Claude Code より大幅にトークンを消費します。メンバーが増えるほど消費が増えるため、必ずチームメンバーへの指示に「Sonnetモデルを使ってください」を加えてください。初めてはメンバー2〜3人の小規模から試し、/usage で使用量を定期的に確認しましょう。

STEP 3:コンテンツ制作(直列型+並列型の組み合わせ)

リサーチャーとライターが役割分担して1つのドキュメントを仕上げる直列型パイプラインを試します。担当Aが完成したら担当Bに知らせる、という連携が自動で行われます。

bash
2人のチームで以下の作業を分担してください:
- 担当A(リサーチャー):「Claude Code初心者がつまずきやすい
  5つのポイント」を調べて「research.txt」に書く
- 担当B(ライター):担当Aが書いた内容を読んで
  初心者向けにわかりやすく「article.txt」として書き直す

担当Aが完成したら担当Bに知らせてください。
チームメンバーはSonnetモデルを使ってください。

STEP 4:Agent Teams を終了する

作業が完了したらチームを解散して通常の Claude Code セッションに戻ります。

bash
/exit

確認チェック

講座を終える前に、以下の項目を確認しましょう。

よくある質問

Q. Agent Teamsを有効化したのにチームが起動しません

A. 以下を順番に確認してください。①settings.jsonの `CLAUDE_CODE_EXPERIMENTAL_AGENT_TEAMS: 1` が正しく記述されているか、②settings.json保存後にClaude Codeを再起動したか、③起動コマンドに `--teammate-mode in-process` が含まれているか。それでも起動しない場合は「2人のチームで〇〇してください」と明示的にチーム構成を指示してみてください。

Q. Shift+↑↓でメンバーを切り替えられません

A. メンバー切り替えは `--teammate-mode in-process` で起動したときのみ有効です。`tmux` モードでは別の操作方法になります。in-processモードで起動していてもショートカットが効かない場合は、Claude Codeのバージョンが最新かどうか確認してください。

Q. Agent Teamsのトークン消費が多すぎます。節約する方法はありますか?

A. 最も効果的な節約方法は「チームメンバーへの指示に必ずSonnetモデルを指定すること」です。指定しないとOpusが起動してトークンを大量消費します。また、メンバー数を最小限に抑える・作業が完了したら早めに /exit する・不要なファイルを読み込ませないなども有効です。

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